林研究室

お知らせ



携帯電話を活用した
一斉授業支援システム

コミュニケーションのための
デジタルWeb教材

遠隔講義におけるプレゼンテーション技術の向上を図る
教師訓練プログラムの開発・ 評価

はしがき

平成12年4月に開催された「G8教育大臣会合・フォーラム」において,遠隔教育の促進や情報通信技術(ICT)の教育活用の奨励や「デジタル・デバイド」の克服等,21世紀に向けた情報通信技術の教育活用が話題となり世界的潮流となっている。教育における情報通信技術の活用は,多様な情報への効果的なアクセスを実現するだけでなく,これまでの時間的・地理的制約を克服した双方向コミュニケーションを可能にした。平成8年から進められてきた「スペース・コラボレーション・システム事業(SCS)」の成果をもとに,遠隔授業による単位習得が可能となり,また,国立教育会館を中心とした「エル・ネット _オープンカレッジ_」により,大学の公開講座や大学院レベルの講義等が提供される等,新たな教育のあり方が現実のもとなりつつある。同時に遠隔授業に対する国民の関心も高まり,生涯学習の有効な手段としての期待も一層大きくなっている。

このようなわが国における情報通信技術による教育活用の,さらなる実用化をめざし,とくに「プレゼンテーション技術」,「遠隔教育」をキーワードとした本研究が,幸いにも平成11,12年度の科学研究費補助金に採択された。本年度(平成12年度)は,昨年度の中間報告を基盤として,プレゼンテーション技術に関する_学生・教師訓練用の教材開発(テキスト,マルチメディア教材),_教材の評価を実施し総括を行なった。本研究により開発されたプレゼンテーション技術演習用プログラム,テキスト,自学自習用CD教材は,国際協力事業団(JICA)の専門家派遣前研修,情報教育に関する国・地方自治体主催の現職教員研修や教員免許法認定講習,筆者(林)が担当する大学・大学院の教育方法・技術関連科目で実践し,研修プログラムや教材の有用性と改善課題を明確にするための評価を実施した。

また,遠隔講義における授業者のプレゼンテーション技術の善し悪しを明確にするため,インターネットやSCSを利用した遠隔講義,シンポジウム,テレビ電話会議システムによる初等中等教育での遠隔交流学習や教員研修を実施し,それらの有効性や課題を探るための実践的な基盤研究を実施した。さらに,異文化間におけるコミュニケーションの改善を図るため,日本語学習用マルチメディア教材「ひらがな」の開発を並行して行なった。ここに,本研究のめざした研究成果を最終報告書としてまとめ,発刊することとした。昨年度(平成11年度)に発刊した中間報告書と併せてご高覧いただき,関係者各位の忌憚のないご批判を仰ぎ,新たな実証研究の出発点にしたいと考えている。

最後に,本書が本研究の研究成果物として発刊し結実できた背景として,教育現場で日々精力的に授業改善に取り組んでいる多くの先生方のご協力により行うことができたことを申し添えておく。

     平成13年3月
     研究代表者 山口大学教育学部 林徳治